創棋会通信+α Ⅱ
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解答締切は3月21日! ネット作品展「教材に使える10手台」
<解答締切は3月21日! ネット作品展「教材に使える10手台」>
 ネット作品展「教材に使える10手台」、解答締切が迫っています!
 3月21日(火・祝)が締切りです。
 易しい作品もありますので、1題でも解ければ奮って解答ください。

・棋楽会
 3月13日(日)は棋楽会に参加。
 陽気が良く、思わず車中で居眠りし、乗り換えをうっかり(汗)。
 迂回手順で(笑)、現地到着が遅れました。
 本日の参加者は明石館長を含めて6名。
 まず中村宜幹さんからネットで発表された裸玉の紹介。
 はる筆線屋という方がnoteで公開されていますが、6段目の裸玉三部作という驚きの内容。
 その後は例によって山下さんによる好作紹介。
 ボリュームのある内容で、あっという間に3時間近くが経過。
 いつものことながら豊富な知識に敬服。
 所用があり余韻に浸ること無く帰路につきましたので、今回は写真がありません。
 山下さんはじめ参加者の皆さん、楽しいひとときを過ごすことが出来、ありがとうございました。

・プロ棋戦
 藤井五冠、王将戦は第6局を制し、4勝2敗で初防衛。
 もっともっと対局を見ていたかったお二人の対戦でした。
 そしてもう一つの大勝負が19日の棋王戦第4局。藤井さんが6冠目のタイトルを手にするか、渡辺棋王がタイに持ち込むか、注目の一戦です。
 また同日には(笑)NHK杯戦の決勝戦も放映されます。こちらはA級昇級を決めた佐々木勇気さんと藤井さんの対決。デビュー時の29連勝時を想起させる組み合わせ。

・花
 暖かい日が続き、気が向けば近所を散歩する機会も増えました。
 これは散歩の途中で見かけたもの。
570.png

■ネット作品展「教材に使える10手台」出題中
 創棋会のネット作品展「教材に使える10手台~詰手筋を学ぶ~」には、たくさんの投稿をいただきました。作家の皆さま、ありがとうございました。
 創棋会例会で選考の結果、16作を出題させていただくことになりました。
  ★出題はこちらから
  ★出題作の一覧図面はこちらから取り出すことができます。
   ダウンロードパスワード kyozai7

 出題作の作者は次の12名の方々です。あらためて感謝申し上げます。
 (敬称略、作品順ではありません、複数作投稿された方もいらっしゃいます)。
   石川和彦、沖昌幸、奥鳥羽生、梶谷和宏、金少桂、柴田昭彦、則内誠一郎、
   中出慶一、西村章、原田豪、RINTARO、吉松智明

 詰将棋の面白さを味わえる詰手筋満載の作品揃いです。
 出題は手数順、11~19手です。今回は「力試し」はありません。
 二ケタ手数の詰将棋への挑戦に相応しい難易度の作品ばかりですので、1問でも解ければ解答下さい。
 ◇解答送り先: blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えてください)
 解答締切3月21日(火・祝)
 ◇解答要領 : A・B・Cの三段階評価と短評をお願いします。
 ※呈賞:2名

■創棋会の次回課題「取らず」
 取れる駒があるのに取らずに攻める。実戦では損な手ですが、取れる駒をわざわざ動かしておいて、その跡地に駒を捨てるのは詰将棋ならではの味の良い手順です。
 「取らず」手筋というのは、若島正さんが『詰将棋パラダイス』2015年8月号に発表した論考で命名されたものです。この論考では、江戸時代の伊藤宗看にその源流があることと、意識的に作図が行われていたと考えられることなどが詳しく述べられていて、その表現の多様さに、あらためて無双や図巧の素晴らしさを再認識させられました。
 作家の皆さんからの多くの投稿をお待ちしています。
 選考は4月例会で行いますので投稿は4月14日(金)までにお願いします。
 メール投稿は blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)まで。

◇例題紹介
 今回は二歩禁を利用した「取らず」を紹介します。
 例題をご覧いただいて妙味を感じていただければ幸いです。

富樫昌利作 詰パラ1992年1月(半期賞、『現代詰将棋短編名作選』第176番)
富樫_現短176
 初手55桂と打つのは、32玉なら41角成で決まりますが、33玉と寄られると詰みません。
 54金と打つのが正解。これなら33玉には44金、32玉、33香で詰みます。
 32玉にも33香と捨てれば同玉、44金、32玉、54角成で手が続きます。
 31玉と角を取りながら逃げるのは、21とから簡単に詰むので、43合の一手ですが、平凡な43歩合で困ります。

<失敗図 43歩合>
富樫_現短176紛れ
 そこで攻め方は工夫します。
 33同玉に45桂と捨てます。

<1図 5手目:45桂>
富樫_現短176_45桂
 45桂に32玉なら、44桂、31玉、41角成が好手順で、22玉とかわしても33桂成の軽手があり詰みます。
 45桂は同歩と取るしかありませんが、そこで44金と寄ります。
 ただで取れる44の歩を45に動かしてから44金と寄るのが巧妙な手順で、32玉に54角成と進めたとき、意味が分かります。
 31玉は21とがあるので43に合駒するしかないのですが、今度は歩合が利きません。
 失敗図では43歩合で詰まなかったのですが、44の歩を取らずに45歩に動かしてから44金と攻めたので43歩は二歩禁で打てなくなったのです。
 43の合駒が香や飛では同馬、同桂に33から打って単。金合も22金があります。
 43桂打が面倒ですが、33金の好手があり、取れば44馬から22馬で詰むので、31玉と逃げますが、64馬、42合に、32歩から駒余りの詰み。
 最善は43銀合です。

<2図 10手目:43銀合>
富樫_現短176_43銀
 43銀合を同金と取ると同桂なら、33銀、31玉(同玉は44馬以下)、64馬から詰むのですが、31玉と引かれると詰みません。
 ここでは上手い手がありました。
 同馬と取り、同桂に33金と捨てるのです。
 同玉の一手ですが、22銀、32玉、44桂までの詰み。

 二歩禁による歩合防止のために45桂と捨てるのが巧みな手段。43銀合にも意外性がある好局。

【詰手順】54金、32玉、33香、同玉、45桂(1図)、同歩、44金、32玉、
 54角成、43銀合(2図)、同馬、同桂、33金、同玉、22銀、32玉、
 44桂まで17手詰

吉松智明作 詰パラ2018年4月(『百日紅』第187番)
吉松201804
 他に手も無いので、35歩、同玉とします。
 そこで17馬とのぞく手があります。34玉なら、44馬、同香、35歩から詰むのですが、17馬に26歩と移動合されると、同馬、同香、47桂、34玉で打歩詰。
 35同玉に47桂、34玉と進むと打歩詰。そこから45角、同香、64飛と合駒請求しても44歩合と受けられて、歩以外の駒が手に入らず、打歩詰が打開できません。
 35同玉のとき46馬と捨てるのが好手。

<3図 3手目:46馬>
吉松201804_46馬
 46馬に34玉は、45角、同香、同馬と香を入手し、同香に35歩以下の詰みがあるので、同歩と取ります。
 27桂と拠点を作っておいて、34玉に45角と捨て、同香に64飛と合駒を訊きます。
 44合の一手ですが、前に利く駒は、同飛、同香に、取った駒を35に打って詰み。
 頭の丸い駒で受けなければいけないのですが桂は品切れなので、44の合駒は角が最善。

<4図 10手目:44角合>
吉松201804_44角
 44角合は同飛と取るしかありません。
 同香に52から角を打つと43香合とされ、同角、同桂、35歩、同桂で詰みません。
 12角と右側から攻めるのがポイント。
 これも23角合と受けて打歩詰を打開させないようにします。
 同角成、同香に、52角と打ちます。
 今度43香合なら、23が埋まっているので同銀不成という手があり、同桂に35香まで。
 よってもう一度43に角合で粘りますが、同角成、同桂で35歩を打つことが出来、同桂に43角までの詰み。

 二歩禁利用の取らず手筋に、角合が繰り返される楽しい作品です。

【詰手順】35歩、同玉、46馬(3図)、同歩、27桂、34玉、45角、同香、
 64飛、44角合(4図)、同飛、同香、12角、23角合、同角成、同香、
 52角、43角合、同角成、同桂、35歩、同桂、43角まで23手詰

伊藤宗看作 『無双』第9番(享保19年 1734年)
無双9
 本作は以前当ブログでも取り上げたことがあります。そちらも良かったらご覧下さい。
 53飛と31角を活用できる形に持って行きたいところです。
 72香、同玉、83銀成とすれば、71玉には61と、同玉、63飛成があるので同玉の一手。
 続いて74銀と金を入手。同角は93香成から84桂で詰むので同玉と応じます。
 そこで65金と捨てるのが好手。
 83玉と逃げれば、93香成、72玉、84桂と跳ねて詰み。
 同歩なら54飛成なので、同玉と取るしかありません。
 54飛成と飛車を取り、同玉に53飛、65玉、56飛成と進めれば、盤上に龍を作り、31角の利きが64まで通りました。
 64角成と歩を取って馬を作ります。
 83玉の一手に、93香成、72玉、84桂、71玉と調子良く手が進みますが、53馬、62歩合となると、同馬、同銀に72歩が二歩で打てません。
 62歩合の局面まで進むと詰みません。

<失敗図 62歩合>
無双9失敗
 失敗図になる前に何か手段はなかったでしょうか?
 実は素晴らしい好手があったのです。
 56飛成と龍を作り、74玉と引いたところで、65龍と捨てます。

<5図 15手目:65龍>
無双9_65龍
 65龍と歩頭にただで捨てるとは実に豪快な一手です。
 同玉なら64角成まで。
 63玉も53角成、72玉、64桂、83玉、85龍以下。
 83玉も85龍があります。
 65龍は同歩と取るしかありません。
 そこで64角成と馬を作ります。
 ただで取れる64の歩を取らず、強力な龍を捨てて動かした後に角を成るというのは絶妙の手順。
 64角成には83玉、93香成、72玉、84桂、71玉、53馬と進めますが、65に歩が残っているので62に歩合が出来ません。
 これが65龍で歩を吊り上げておいた効果です。単に64角成と歩を取ると後に62歩合が生じるので、あらかじめ65龍、同歩の2手を交換しておいたわけです。
 53馬には62に何を合しても同馬と取って詰みます。
 本譜は62香合とし、同馬、同銀に72香が打てますから、81玉に92成香までの詰み。

 取らず手筋で二歩禁を利用して歩合を防ぐのが本局の狙いですが、65龍という豪快な一手で表現した名作です。

 また「無双」には他にも二歩禁を利用した「取らず手筋」の作品があり、特に2番が有名ですが、過去に当ブログでも紹介していますので、こちらを参照ください。

【詰手順】72香、同玉、83銀不成、同玉、74銀、同玉、65金、同玉、
 54飛成、同玉、53飛、65玉、56飛成、74玉、65龍(5図)、同歩、
 64角成、83玉、93香成、72玉、84桂、71玉、53馬、62香合、
 同馬、同銀、72香、81玉、92成香まで29手詰

■創棋会の今後の予定
★コロナ情勢も落ち着きを見せており、5月8日からは5類に移行。
 またマスク着用も3月13日から個人の判断に委ねられることになりました。
 とはいえ、感染への懸念が無くなった訳ではありませんので、例会は以下のような運営とさせていただきます。ご理解とご協力をお願いします。
 ・発熱その他健康に懸念のある方は参加を控えてください。
 ・他の参加者との対話時などはマスクの着用を推奨します。
 ・会場は換気を行います。

***【次回例会】********************************
[日時] 2023年4月16日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 302
 〒553-0006 大阪市福島区吉野3-17-23
 <最寄駅>阪神本線 野田駅・JR東西線 海老江駅・地下鉄千日前線 野田阪神
[課題] 詰パラ6月号作品展「取らず
[会費] 無料

***【次々回例会】******************************
[日時] 2023年6月18日(日)13時~
[場所] 大阪市福島区民センター 303
[課題] 詰パラ9月号作品展~後日案内させていただきます。
[会費] 無料

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・当ブログへのご意見や課題作の投稿はこちらまで 
  ⇒ blogsokikaitusin■gmail.com (■を@に変えて下さい)   以上

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